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★report★ Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催中!「印象派への旅 海運王の夢 -バレル・コレクション-」


いよいよ今月30日で閉幕となる「印象派への旅 海運王の夢-バレル・コレクション-」(渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアム)、もう、みなさんは行かれましたか?

タイトル通り“バレルさん”のコレクションを楽しめる展覧会ですが、そもそもバレルさんとはどんな人なのか?展覧会HPメモによると、

「1861年に英国、スコットランドの海港都市グラスゴーに9人兄弟の三男として生まれる。15歳で家業の海運業を手伝い始め、24歳で父親の跡を継ぐ。その後、船舶の売買で大成功し『海運王』と称された」

人なのだそう。そんなバレルさんが意欲を燃やしたのが古今東西の美術工芸品の収集。

美術工芸品を集める実業家は今も昔もいますが、バレル・コレクションには、エドガー・ドガやピエール・オーギュスト・ルノワールなどの巨匠作品も多く、世界屈指のコレクションと評されています。

美術工芸作品の収集にあたり、知識ある人から美術界の動向やそれぞれの作品価値について助言を受けていたようですが、主流となりつつあった抽象画などにはあまりバレルさんは関心を示さず、最終的には自分の心に響く作品を収集していたようです。

15歳から社会の荒波の中で腕を磨いてきた“できる男”だったということも展覧会では紹介されつつ、その中で収集された作品たちは、落ち着いた気品のある、安らぎを与えてくれるようなものが多く、それらを通してバレルさんの思慮深くて穏やかな人柄が伝わってきます。

多くの作品が展示されていましたが、その中で「出会えてよかった!」と心惹かれたのはアンリ・ル・シダネルの「雪」という作品です。(写真がなくてすみません・・)

淡く雪が降り積もった村の中で、1箇所だけオレンジの灯が窓から滲んでいる風景画なのですが、まるで雪が積もる音さえ聞こえてきそうな、静寂につつまれた作品です。

白い雪が淡く発光しているように見えるのですが、近くで見てみると、白の中にまるでプリズムのように、水色・レモンイエロー・パールピンクと色が散りばめられていました。

ずっと観ていると、自分が家の中にいて窓の外の雪景色を静かに眺めているような感覚になり、バレルさんもこの静かな美しい作品を見ながら、日々の忙しさから暫し離れて自分の世界に遊んでいたのだろうなぁと考えてしまいました。

世界屈指のコレクションであることに変わりはないバレル・コレクションですが、まるで“親戚のバレルおじさんが家に招いて作品一つ一つを紹介してくれている”ような、あたたかで親近感のわく、素敵な体験となる展覧会です。

まだご覧になっていない方は、ぜひ。

【展覧会情報】

会場:Bunkamuraザ・ミュージアム

会期:〜6/30(日)まで

時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)

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