• n-aoki

閉幕間近!東京都美術館「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」


葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 横大判錦絵 天保元~4年(1830~33)頃 太田記念美術館

※後期は平木浮世絵財団の同作品を展示します。

江戸時代の庶民たちに愛好された、日本を代表する芸術の一ジャンル「浮世絵」。

現在、東京都美術館では、質、量ともに日本の三大浮世絵コレクションと言っても過言ではない太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品がはじめて結集し、選りすぐった約450点の浮世絵版画を前期・後期にわたり展示する「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」が開催中です。

鈴木春信「風流うたひ八景 紅葉狩夕照」 細判錦絵 明和4年(1767)頃 太田記念美術館

鳥居清長「六郷渡船」 重要美術品 大判錦絵二枚続 天明4年(1784)頃 平木浮世絵財団

全部で5章から構成された本展。

第1章では、浮世絵版画のはじまりである延宝期(1673~81)頃の墨一色の版による「墨摺絵」から、墨摺絵に丹で筆彩色を施した「丹絵(たんえ)」、丹にかわって紅を用い、黄、藍で彩色した「紅絵(べにえ)」、黒色部分に膠を混ぜて漆のような光沢を出した「漆絵(うるしえ)」が生まれていくなど、その進化を垣間見ることができます。

第2章では“錦のように美しい江戸の絵”と称される「東錦絵」の数々が登場。錦絵創生の時代に最も活躍したのが鈴木春信で、その夢幻的な美人画様式を多くの浮世絵師たちが追随しています。

東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」 大判錦絵 寛政6年(1794)5月 日本浮世絵博物館

第3章では、当時の庶民からも愛された美人画・役者絵を取り上げています。

「浮世絵・役者絵」と聞けば、上記の作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

東洲斎写楽は、寛政6年(1794)5月から1年たらずのわずかな期間の作画活動が知られるのみで、その後、忽然と消えてしまった絵師ですが、黒雲母摺の背景に浮かぶ役者の半身像は印象的で、国際的にも高く評価されています。

第4章では多様化する浮世絵の表現を覗くことができます。

印象派の画家をはじめとする欧米のアーティストたちに大きな影響を与え、ジャポニスム旋風を巻き起こした浮世絵ですが、浮世絵の誕生から100年以上経った文化・文政期(1804~30)に入ると、水平線を低くとり、広い空と雲の描写で大気を表現する特徴が現れるなど、洋風の風景描写への関心の高まりも垣間見ることができます。

歌川国芳「人をばかにした人だ」 大判錦絵 弘化4年(1847)頃 日本浮世絵博物館

そして最後の第5章では「自然描写と物語の世界」と題して名品が並びます。

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」シリーズは、天保初期(1830~33)頃に出版され、歌川広重の代表作「東海道五拾三次之内」も天保4〜5年(1833~34)頃の作品です。それまでの説明的な名所絵とは異なる風景画のジャンルが浮世絵版画に大きな位置を占めるようになったのがこの時代です。単なる風景ではなく、雨、風、雪、月といった気象が絵画の大きな要素となった北斎と広重の作品では、日本独特の美的感覚が表わされています。

一方、歌川国芳は同じ頃、武者絵のジャンルで活躍し、物語の世界を豊かなイマジネーションによって絵画化するなど、浮世絵の広がりを楽しむことができますよ。

浮世絵の祖・菱川師宣から、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川豊国、歌川広重、歌川国芳まで、浮世絵の歴史を網羅する総勢約60名の絵師たちの代表作が並ぶ本展。重要文化財(すべて前期で展示終了)・重要美術品の展示数は会期を通して計100点以上と、他にはない贅沢な機会です。

9月22日(火・祝)の閉幕まで残わずかとなり、日時指定入場制のチケットは既に完売している日もあります。

まだご覧になっていない方は、展覧会公式サイトから急いでお申し込みを。

---------------------------------------------------------

「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」

会期    :2020年7月23日(木・祝)~9月22日(火・祝)

会場    :東京都美術館

開室時間  :9:30~17:30

休室日   :9月14日(月)

お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

展覧会公式サイト:https://ukiyoe2020.exhn.jp

※チケット完売いたしました(9/15更新)

---------------------------------------------------------

©winkey Co.,Ltd.All rights reserved

ART BOOKMARK アートブックマーク

ARTをもっと楽しく

美術展・展覧会情報
  • Twitter B&W
  • Instagram B&W