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★report★東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」

December 2, 2019

 

エドゥアール・マネ 《フォリー=ベルジェールのバー》 1882年 油彩・カンヴァス 

コートールド美術館蔵 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)

 

 

現在、東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」に行ってきました。

 

 

イギリスの実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションが並ぶ本展。

ファン・ゴッホやルノワール、セザンヌやマネ、ゴーガンといった、誰もがその名前を知る印象派・ポスト印象派の作品が一堂に会する、とっても贅沢な展覧会です。

 

展示では、コートールド美術館の美術研究所としての成果を取り入れながら、作品を読み解いていきます。画家の言葉や時代背景といった美術史的側面や、素材・技法といった科学的側面など、さまざまな角度から作品を知ることができるんです。

メインビジュアルにもなっているマネの《フォリー=ベルジェールのバー》には、これほどまでの思考が凝らされていたのかと驚きました。こうして作品を紐解いていくことができるのは、謎解きのようでもありわくわくしますね。

 

展示ではコートールド自身がどのように作品を収集していったかや、作品との出会いなども織り交ぜて展示をされています。そうした部分にも触れる中で、今回見ることができるのは“コートールドの眼を通して集められたコレクション”であることにも、あらためてとても感動しました。

 

 

 

 

▲ FLYING POSTMAN PRESS 9/20発行号の東京版にも記事が掲載されていました。どれも教科書に出てくるような作品ばかりが贅沢に集まっていることがわかります。

 

 

 

「芸術には、人種や時代を越えて人を啓発する力がある」

 

こう信じて数多くの作品を収集したコートールドは、作品に強い愛着を感じない限り購入しなかったそうです。なんでも、購入前の作品を自邸において、“対話”を繰り返すこともあったのだとか。
保守的なイギリスで同時代の風俗を主題とするフランス絵画の評価は低かったそうですが、印象派の作品は人生を豊かにするものだと彼は信じていました。

 

 

会場では、彼が作品に心動かされた想いを綴った詩も展示されています。

オシャレな女性が優雅にこちらを見つめるルノワールの作品《桟敷席》。

とても華やかで美しい作品ですが、コートールドの詩によると彼はここから春を感じたのだそう。

その詩はなんとも感動に満ち溢れています。

作品1つからこんなにみずみずしい詩を感じるなんて…!

本当に心が美しい人だったのだな、と感じました。

詩を読んだ後に作品を見ると、彼がこの作品からどんな感動を味わったのかを少なからず追体験することができますよ。

 

 

▲会場では、《桟敷席》が飾られたコートールド邸で座っているみたいに写真を撮ることができるフォトスポットも。 

 

 

 

 

ポール・セザンヌといえば、誰もがその名を聞いたことのある画家の一人。
コートールドがもっとも多く作品を収集した画家でもあり、本展でも多くのセザンヌ作品が展示されています。

 

「その瞬間、私は魔術を感じ、それ以来ずっとこの画家の魔術にかかったように感じている」
 

セザンヌの作品を初めて見た時の、コートールドの感動が会場では綴られています。ここにもコートールドさんの心の美しさが現れています!

美術史家アンソニー・ブランド(1907~1983年)によると、コートールドはセザンヌが自然に向ける揺るぎないまなざしを称賛していたのだそう。
晩年のセザンヌは、「時の法のなすがままに任せ、しきたりを曲げることなく年を重ねた人々の姿が、何にもまして好きなのです」と語っています。

セザンヌは、自然に向けるまなざしと同じように人々を見ていたのですね。

こうしてみると、当時の一般庶民を描いた《カード遊びをする人々》などの作品の感じ方も変わってきます。バーに集う庶民の人生を歌った、ビリー・ジョエルの名曲『ピアノ・マン』のようにも感じ、今までに見たどのセザンヌ作品よりも心動かされました。

 

 

 

ポール・セザンヌ 《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》 1887年頃 油彩・カンヴァス 

コートールド美術館蔵 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)

 

 

 

コートールドが心を通わせ、愛情を注いだ作品が集まっているせいか、会場はまるで、コートールド邸の中を歩いているような親密であたたかな空気が感じられました。

作品1つ1つが魅力的であることはもちろんですが、コートールドの愛情に包まれて、作品は単体で見る時よりも、きっと魅力を増しているに違いない!と思わせるような、そんな不思議な輝きに満ちた展覧会でした。

 

これからも、モネやルノワールなどの巨匠たちの作品を見る機会はあるかと思いますが、「コートールドの眼を通して集められた作品」として、作品を楽しむことができるのは、本展だけ(もしくは現地!)。

さらに閉幕まで残り2週間ですが、好評につき土曜の夜間開館が追加になったそうです!

もうご覧になった方も、これからの方も。

ぜひ、あたたかな魅力と輝きに満ちた、贅沢な展覧会を楽しんでください。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本展とは関係ありませんが、展覧会をじっくり観終えた後に外に出ると、上野公園の景色もなんだか印象派の作品みたいに見えてきました…。

会場を出た後も感動が続く、おすすめの展覧会です!

 

 

 

 

コートールド美術館展 魅惑の印象派

 

 

会期  :~12/15(日)

会場  :東京都美術館 企画展示室

休室日 :月曜日

開室時間:9:30~17:30

★夜間開室が追加!▼

金曜日、12月7日(土)、12月14日(土)は20:00まで (入室は閉室の30分前まで)

 

 

 

閉幕後は、愛知に巡回します。

愛知展2020年1月3日(金)~3月15日(日)   愛知県美術館

神戸展2020年3月28日(土)~6月21日(日)   神戸市立博物館

 

 

 

 

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